松本零士がマンガの描き方を教える書籍『零次元マンガの描き方 (プロのマンガテクニック)』

『プロのマンガテクニック』シリーズに松本零士さんの書籍が加わります(2017年7月31日)。今まで勝手に『プロのマンガテクニック』シリーズは劇画専門の指南書だと思っていましたが、どうやらそのような垣根はないようです(笑)。


松本零士 零次元マンガの描き方 (プロのマンガテクニック)
出版社: 玄光社
著者: 松本零士

『プロのマンガテクニック』シリーズについて

『プロのマンガテクニック』シリーズでは絵の描き方、ストーリー、演出方法など、漫画を描くうえで必要なテクニックを学べます。しかしゼロから手取り足取り教えるようなスタイルではありませんので、必要なところをつまみ食いしながら勉強していくといいでしょう。その代わり、テクニックを教えてくださる漫画家の得意とする表現をテーマとしてまとめられている、各巻とも違うことが学べます。

  • 第1巻:池上遼一さん – 男と女の描き方
  • 第2巻:平田弘史さん – 侍の描き方
  • 第3巻:平田弘史さん – アクションとエロスの描き方

SFマンガの描き方

『松本零士 零次元マンガの描き方 (プロのマンガテクニック)』の内容紹介を見ると、どうやらSFマンガの描き方がメインテーマになるようです。『新・セクサロイド』の第1話を完全収録するとともに描き方を解説します。また松本零士さんがかつて連載していた漫画の描き方講座『松本零士のまんがテクノロジー』も収録される予定です。

メーテルの描き方

『プロのマンガテクニック』シリーズでは絵が完成するまでのステップごとに解説したコーナーが掲載されています。今回はなんとメーテルの描き方だそうです!ちょっと胸がときめきますね・・・(笑)。

ファンも楽しめる書籍

『プロのマンガテクニック』シリーズでは漫画を描かない人でも楽しめるように、たくさんの作品が掲載されています。今回は『銀河鉄道999』、『宇宙海賊キャプテンハーロック』、『クイーンエメラルダス』、『新竹取物語 1000年女王』などのカラー画が掲載されているようです。

子供の頃から憧れてきた松本零士さんの世界が堪能できる日を楽しみに待っています。発売日は2017年7月31日です。


松本零士 零次元マンガの描き方 (プロのマンガテクニック)
出版社: 玄光社
著者: 松本零士

『プロのマンガテクニック』シリーズ

『プロのマンガテクニック』シリーズでは池上遼一さん、平田弘史さん、望月三起也さんのテキストが出版されています。


池上遼一 ワイルド&ビューティーの描き方 (プロのマンガテクニック)
出版社: 玄光社
著者: 池上遼一


平田弘史 超絶サムライ画の描き方 (プロのマンガテクニック)
出版社: 玄光社
著者: 平田弘史


望月三起也 ハードアクション&エロスの描き方 (プロのマンガテクニック)
出版社: 玄光社
著者: 望月三起也

人体を立方図形に見立てて描く手法を解説した本『マイケル・ハンプトンの人体の描き方』

マイケル・ハンプトンさんの著書『Figure Drawing: Design and Invention 』がついに日本語に翻訳されました。日本語タイトルは『マイケル・ハンプトンの人体の描き方』です。上の写真は私の持っている古いバージョンの表紙です。

人体を立体図形に見立てて描く手法

人体デッサンを描く手法はいろいろありますが、そのうちの手法のひとつとして人体を立方体や球体などの立体図形に見立てて描く手法があります。例えば頭部を球体、胴体を円柱、腰を立方体などの立体図形として見立てることで、大まかな人体のボリュームを決めることができます。なので通常は下描きの段階で使われることが多い手法だと思います。

人体を3次元的にとらえる書籍『マイケル・ハンプトンの人体の描き方』

書籍『マイケル・ハンプトンの人体の描き方』ではジェスチャードローイングの段階から解説しているので初心者から学習できます。この本の特徴は身体の各パーツを頭の中で立体として認識してから描く手法なので、絵を描く人よりも彫刻、3D-CG、CADなどになじみがある人の思考方法に近いです。なので人体だけでなく3次元的に物をとらえる訓練にもなります。

また解剖学を勉強してもすぐに応用するのは難しいので、解剖学を応用した書き方の最初のステップとしても効果的な本だと思います。


マイケル・ハンプトンの人体の描き方: 躍動感をとらえるアナトミーとデザイン

筋肉のグループごとに分解して立体図形化

人体の立体図形化と各立体図形を滑らかに結合する方法を学んだあとは、頭部、胴体、腕などの各部位ごとに学習をします。この段階に入ると人体を筋肉の塊ごとに分解して立体図形化するので、筋肉の構造や身体の動きを表現することができるよになります。

この手法は筋肉をグループごとに分割し、積み木のように組み立て直している感覚に近いので、人体を2次元的考えるのではなく3次元的に考えて描く訓練になると思われます。なので粘土や3D-CGでモデリングしている人にはなじみやすく、制作に活用しやすいかもしれません。

イメージだけで人体を描く時に重宝する手法

ポーズ集などの資料を見ながら描く場合や、何も見ないでイメージだけで人体を描く場合にマイケル・ハンプトンさんの手法は重宝すると思います。人体の構造を3次元的に考えながら描くことで、アクションシーンのような動きのある人体表現を正確に描くことができ、筋肉や関節の表現も自分のイメージに合わせて強調することができます。

またジャック・ハムさんの書籍『人体のデッサン技法』に書いてある比率を使った描き方やアドバイスを3次元的に応用することで、さらに人体の構造をとらえやすくなるでしょう。


人体のデッサン技法

解剖学の知識を制作への応用するための最初のステップとして

書籍『マイケル・ハンプトンの人体の描き方』は書籍『アーティストのための美術解剖学』と共に学習すると理解しやすいかもしれません。純粋に解剖学の知識を活用しようとすると人体の構造があまりにも複雑すぎるて制作に応用することが難しいです。しかしマイケル・ハンプトンさんの手法を使えば複雑に重なった筋肉をグループにまとめ、簡略化するので制作に応用しやすいと思われます。

アーティストのための美術解剖学―デッサン・漫画・アニメーション・彫刻など、人体表現、生体観察をするすべての人に

モデルさんを目のまえにしてデッサンする時にはあまり使わないかも?

目の前でモデルさんをデッサンする時はマイケル・ハンプトンさんの手法を使う人は少ないと思われます。なぜなら目のまえにいるモデルさんを観察して描けば問題なく描けるからです。また人体デッサンは時間が限られているので、わざわざ筋肉の構造はから立体図形で考えている時間はなかなかとれません。あえてこの技法を使うとするならば、部分的に筋肉や関節などを誇張して描かなくてはならない時などに有効かもしれません。

さまざまな手法のひとつとして活用する

マイケル・ハンプトンさんの書籍『マイケル・ハンプトンの人体の描き方』はあくまで人体を描くための手法のひとつです。なのでこの手法を「活用するか?活用しないか?」は各自の制作過程によって大きく異なると思います。実際にモデルさんを前にしてデッサンする時はほとんど必要性はありませんが、ポーズを参考にしたり、何も見ないで描く時などは重宝する手法だと思います。また被写体を3次元的にとらえる訓練や、解剖学を応用する最初のステップとしてもこの書籍は役立つと思われます。

夢中でやり続けることの大切さを学べる大河原 邦男さんの著書『メカニックデザイナーの仕事論』

ガンダムやヤッターマンなど日本を代表するロボットアニメのメカニックデザインを手掛けてきた大河原 邦男さんの著書『メカニックデザイナーの仕事論』を読みました。

大河原 邦男さんの著書『メカニックデザイナーの仕事論』

メカニックデザイナーとして大河原 邦男さんが作り出したロボットのデザインを紹介しながら、デザイン手法、当時のプロジェクトの状況などを解説している本が『メカニックデザイナーの仕事論』です。

中盤には仕事論についてまとめている章があるので、アーティストやデザイナーはもちろんのこと、ものつくりに関わるビジネスマンが読んでも為になると思います。

最終章には中村光毅さん、安彦良和さん、富野由悠季さん、手塚治虫さんについて書かれており、人との出会いの重要性を論じています。

メカニックデザイナーの仕事論 ヤッターマン、ガンダムを描いた職人 (光文社新書)

作品も豊富に掲載

昔のアニメに詳しくない人が読んでも大丈夫なように、大河原 邦男さんが描いた作品がたくさん掲載されています。また作品が掲載されているおかげで、大河原 邦男さんがどのように考えてデザインしているのかよくわかります。ただし文庫本なので画集のようにまとめられた本ではありません。

偶然メカニックデザイナーになった話

大河原 邦男さんの仕事論の前提として、偶然たどり着いた仕事がアニメであり、担当したプロジェクトがヒットを連発してメカニックデザイナーという仕事が生まれたという状況だったようです。また大河原 邦男さんはアニメファンではなく、メカ好きだったことがメカニックデザイナーとして独自の道を切り開いてこれたと、ご自身について分析しています。なのでアニメファンやメカニックデザイナーになりたいという人以外が読んでも楽しめます。

仕事論

基本的にはアニメーションやメカニックデザイナーの仕事論やアドバイスが書かれてありますが、営業マンとしての経験がある大河原 邦男さんなので、ものつくりに関わる人やビジネスマンが読んでも役に立つと思います。

特に「アーティストではなく職人として仕事に関わる姿勢」を持つことでチームプレイヤーとしてプロジェクトに関わることの重要性や、玩具メーカーとアニメーションスタジオの双方を納得させる営業論などは、自分の立場に置き換えて考えてみると改めて学べるところがあるのではないでしょうか?

夢中でやり続けることの大切さ

「あとがき」には趣味のものつくりが高じて自宅を町工場のようにしてしまった話が書かれています。この話は「仕事のために」ではなく、自分の好きなことを夢中でやり続けることの大切さを教えてくれます。これから何か趣味をはじめたいと思っている人たちや、趣味でものつくりやアートを制作している人たちが読むと励まされると思います。

自己啓発やオカルトの本ではない・・・ちゃんとした美術の入門書『脳の右側で描け』(笑)

『右脳と左脳を使ったトレーニング』と書くと、かなり怪しいセミナーのトレーニングと勘違いされるかもしれません。しかし書籍『脳の右側で描け』はちゃんとした美術の入門書です(笑)。

なので急に予知能力が身についたり、透視能力が身につくことはありません。ましてや映画『超能力学園Z』のような事は起こせませんから、安心してトレーニングに挑戦できます(笑)。


決定版 脳の右側で描け

絵が描けない人たちのために開発された学習プログラム

カリフォルニア州立大学ロングビーチ校で教鞭をとっていたベティ・エドワーズさんが開発した学習プログラムを書籍にしたのが『脳の右側で描け』です。この学習プログラムは「絵が全く描けない人たち」が効率的に学習できるように作られました。

絵を描くことは誰でもできる

書籍『脳の右側で描け』が証明したことは「絵を描くこと」は教えることができるし、学習することができるということです。今まで絵を描いたり、モノを作ったりする芸術活動は「才能のある人の特権」のように思われていましたが、本当は日曜大工や裁縫のように誰でもマスターできる技術なのです。

トレーニングについて

実は掲載されているトレーニングはどれも特殊なものではありません(笑)。基本的に美術の古典的なトレーニングとテクニックばかりです。ただしこれらのトレーングやテクニックはベティ・エドワーズさんによって、効率的に学習できるように順序良く構成されています。

画期的な解説

『脳の右側で描け』の功績は他にもあります。美術の専門用語を使わずに、絵を描く時の脳や知覚の働きを解説したことで、今まで絵を描いたことがない人でも理解できるようになったことです。特に「なぜ絵が描けないのか?」という問題を解決したことは、多くの人に絵を描く楽しみを広げたと思います。


決定版 脳の右側で描け
出版社: 河出書房新社
著者: ベティ エドワーズ

ワークブックについて

絵を描く理論よりも実践することに興味がある人はワークブックを試してみるといいでしょう。


決定版 脳の右側で描けワークブック[第2版]
出版社: 河出書房新社
著者: ベティ エドワーズ


絵を右脳で描く―「描く能力」が劇的に向上 (朝日カルチャーセンター講座シリーズ)
出版社: 旬報社
著者: クリスティン ニュートン、古賀 良子

「作品を他人に見せること」は過酷な試練???

絵を趣味としてはじめたいと思っている人におススメしている本が、永沢まことさんの著作です。絵の描き方だけでなく、作品を他人に見せることについてのアドバイスも掲載しています。

作品を他人に見せること

永沢まことさんの本(例えば永沢まことのとっておきスケッチ上達術)がよくできている理由は絵を描くことだけでなく、作品を作った後のことについてもアドバイスしていることです。その中でも特に重要なことが「他人に絵を見せること」です。他人(絵を描いてない人)に見てもらうことにより、自分の絵を知ることができることは重要なことです。しかしこれが意外と過酷な試練なのです(笑)。

ショックを受ける前に知っておくべきこと?

「自分の描いた絵を他人に見てもらうことは絵を描くことと同様に楽しいこと」・・・と思ったら大間違い(笑)!永沢まことさんは他人からの反応について「お世辞もあるし、無視や無反応(実際にはこれが一番多い)もあります」と書いています。私の経験でも90%くらいは無反応です。最初のうちはショックだと思いますが、この反応は普通のコトなのでいずれ慣れると思います(笑)。

なぜこのような過酷な試練を受けるのか?

永沢まことさんは著書のなかで「他人を信頼し、その反応の全てを素直な心で受け止めた上、自分一人で考え、そして立て直すのです。すると次に描く絵は少し違った感じになっていくはずです」と書いています。またその結果として「よく言われる個性とは、こういうプロセスのなかからのみ生まれる」とも書いています。

私の経験でも他人からの指摘や一瞬の反応から、さまざまな発見をすることが多いです。特に無反応しか引き出せない作品の場合は大幅な見直しが必要になることが多いです。なので「他人に絵を見せること」は過酷な試練でもありますが、それよりも大きな収穫があることは間違いないです。

また修行を積んだプロのアーティストに自分の描いた絵を見てもらうことも重要です。ダメな箇所については論理的に解説してもらえますし、自分が気がついていない良い所も指摘してもらえるでしょう。

名作だって他人からの無反応に耐えている

それでも他人の無反応がつらいと思うなら、このように考えてはいかがでしょうか?美術館に収蔵されている名作だって他人からの無反応に耐えているのです。美術館に行くとよく観覧に来た人たちが「よくわからなかった」とつぶやいていますよね。この「よくわからなかった」という言葉は無反応と大差ありませんから・・・そのように考えると名作こそが人々からの無反応に耐えているのかもしれません(笑)。

永沢まことさんの本

残念なことに永沢まことさんの著作はたくさんあるのですが絶版になっている本も多いです。しかし定期的に新しい本が出版されています。今までの傾向だと内容がグレードアップされているので新しく出版された本でも問題ないと思います。どうやら初心者むけの趣味の本(特に絵や写真など)は次々に出版されていきますが、再販されることはなかなかないようです。

永沢まことの街歩きスケッチ入門 (玄光社ムック)

永沢まことの絵の描き方7日間

永沢まことの自分発見スケッチ術

「他人に絵を見せること」について書かれた書籍『SHOW YOUR WORK!』

「他人に絵を見せること」についてはオースティン・クレオンさんの著書『クリエイティブを共有! SHOW YOUR WORK! “君がつくり上げるもの”を世界に知ってもらうために』もおすすめです。タイトルが示しているように「他人に絵を見せること」について書かれた書籍です。見せ方だけでなく、アーティストとしてどのように活動していくのか考えさせられる書籍です。なので漫画、イラスト、写真など、あらゆるクリエイティブな活動をしている人が読んで役にたつ本だと思います。

ちなみにオースティン・クレオンさんの著書『クリエイティブの授業 STEAL LIKE AN ARTIST “君がつくるべきもの”をつくれるようになるために』もおすすめです。

クリエイティブを共有! SHOW YOUR WORK! “君がつくり上げるもの”を世界に知ってもらうために

クリエイティブの授業 STEAL LIKE AN ARTIST “君がつくるべきもの”をつくれるようになるために

劇画漫画家のテクニックが学べる書籍『プロのマンガテクニック』シリーズ

玄光社から池上遼一さんと平田弘史さんのテクニックが学べる『プロのマンガテクニック』シリーズが出版されています。劇画は映像表現から大きな影響を受けているので、漫画を描いている人だけでなく、絵画やイラストを描く人たちが読んでも学べることがたくさんあると思います。

マンガ家からテクニックを学ぶシリーズ

イラスト、写真、映像などの制作に関する書籍を数多く出版している玄光社から、プロの漫画家から制作テクニックを学べる『プロのマンガテクニック』シリーズが出版されています。第1巻が池上遼一さん、第2巻が平田弘史さんと現在のところ劇画漫画家のお2人が出版されています。


池上遼一 ワイルド&ビューティーの描き方 (プロのマンガテクニック)
出版社: 玄光社
著者: 池上遼一


平田弘史 超絶サムライ画の描き方 (プロのマンガテクニック)
出版社: 玄光社
著者: 平田弘史

さまざまなテクニックが詰め込まれた内容

絵の描き方、演出術、ストーリーなどさまざまなテクニックが詰め込まれているので、漫画を描く人には役にたつ専門書だと思います。文章による解説だけでなく、参考資料として作品や下絵がたくさん掲載されているので、専門的な知識がない人でも理解しやすく読むことができます。

下絵から完成までの解説

一枚の絵が完成されるまで、ステップごとに解説したコーナーがあります。池上遼一さんと平田弘史さんの描き方がわかると共に、道具の解説なども書いてあるので読んだ後にチャレンジすることができます・・・ただしお2人とも何十年も描き続けたプロですから、このコーナーを読んだだけでそのレベルに到達するものではありません(笑)。じっくり年月をかけてチャレンジし続けましょう(笑)。

ファンが読んでも楽しい

『プロのマンガテクニック』シリーズは基本的に漫画を描いている人のための専門書ですが、ファンが読んでも楽しめるようになっています。各漫画家の制作方法が理解できることはもちろん、下絵や作品がたくさん掲載されているので画集を見るつもりで楽しめます。池上遼一さんの描く「魅力的な女性の絵」や、平田弘史さんの描く「迫力ある侍」の絵は、飽きることなく見続けることができます。


池上遼一 ワイルド&ビューティーの描き方 (プロのマンガテクニック)
出版社: 玄光社
著者: 池上遼一


平田弘史 超絶サムライ画の描き方 (プロのマンガテクニック)
出版社: 玄光社
著者: 平田弘史

追記:新たに出版された『プロのマンガテクニック』シリーズ

第3巻は『ワイルド7』で有名な望月三起也さん、第4巻は『銀河鉄道999』で有名な松本零士さんと、伝説的な漫画家たちがシリーズに登場しています。今後このシリーズに「誰が登場するのか?」楽しみに待ちたいと思います。


望月三起也 ハードアクション&エロスの描き方 (プロのマンガテクニック)
出版社: 玄光社
著者: 望月三起也


松本零士 零次元マンガの描き方 (プロのマンガテクニック)
出版社: 玄光社
著者: 松本零士

名門美術大学の教授スコット・ロバートソンさんによる透視図法とレンダリング法のテキスト

名門美術大学アート・センター・カレッジ・オブ・デザインで教授をしていたスコット・ロバートソンさんによる透視図法のテキストとレンダリング法のテキストが日本語訳されて出版されました。

今までの透視図法のテキストの弱点

透視図法は決まりきった手順で描く技法なので、今まで出版されたテキストはどれも似たような内容になりがちでした。たくさんの線が交差するので複雑な形を解説すつには難しく、サンプルとして複雑な形をしたオブジェクトを掲載したとしても、描き方の詳細は抜け落ちてしまうのが普通でした。

なので今までのテキストでは基礎は簡単に理解できるのですが、複雑な形へ応用しようとするとなかなか難しく感じることが多かったと思います。

スコット・ロバートソンさんの透視図法とレンダリング法のテキスト

スコット・ロバートソンさんのテキストでは基礎的なテクニックをしっかりとおさえた上で、少しずつ複雑な形にチャレンジしていきます。なので基礎的なテクニックを組み合わせ、どのように複雑な形を作りだせるのかよく理解できるようになります。

また動画による解説も公開されているので複雑になりがちな解説も理解しやすく、車や飛行機のような複雑な形であっても各ステップを理解しながら完成させることができます。

透視図法のテキスト


スコット・ロバートソンのHow to Draw -オブジェクトに構造を与え、実現可能なモデルとして描く方法-

レンダリング法のテキスト


スコット・ロバートソンのHow to Render : 光と影、反射によってオブジェクトに質感を与える方法

対象となる読者

このテキストでは透視図法を学びたい初心者からカーデザイン、インダストリアルデザイン、または映画やゲームなどのコンセプトアートなどを学びたい人の入門書として大変役に立つと思われます。建築パースを学びたい人がこのテキストを使って学習しても問題ないのですが、普通の建築パースならばここまで複雑な形を描けるようになる必要は無いかもしれません。

書籍と動画で学習

透視図法は補助線をたくさん引いてから最終的な線を導き出すので、作業手順を理解することがなかなか難しいです。また作業プロセスが進むと補助線だらけになり、どの補助線が何の役割をしていたのか混乱することがよくあります。しかしこの書籍は丁寧な解説と豊富な図が掲載されている上にインターネットにアップされている動画を見ることで複雑な手順を簡単に理解することができます。

またスコット・ロバートソンさんが以前発売したThe Gnomon WorkshopのDVDでは、部分的に調べたいことがあった場合、巻き戻しと早送りをして探す必要があったので大変でした。今回発売された書籍では掲載されているテクニックに対応して動画が作られているので参照しやすくなっています。

基礎的な立体から複雑な立体まで描けるようになる

透視図法とレンダリング法のどちらのテキストも基礎的な立体から学習をスタートし、徐々に複雑な立体を学習する構成になっています。なので最初に基礎的なテクニックを学び、それらのテクニックを組み合わせてどのような形にでも対応できるようになります。最終的には飛行機や自動車といった複雑な立体にチャレンジすることになりますが、テクニックの組み合わせ方を理解していれば問題なく制作することができるようになります。

描き方を理解したら練習あるのみ!

この書籍を読んで描き方を理解しても絵を描くスキルがアップするわけではありません(笑)。描き方を理解したら練習をする必要があります。スコット・ロバートソンさんの教えていたアート・センター・カレッジ・オブ・デザインでは教授陣の指導が良いだけでなく、徹底的に練習をさせるそうです。たしかアートセンターの卒業生である奥山清行さんがどこかのインタビューで「アートセンターは軍隊教育みたいだった」と言っていた記憶があります(笑)。アートセンターの学生を見習って真剣に練習しないといけませんね・・・頑張りましょう!

アート・センター・カレッジ・オブ・デザインについて

アート・センター・カレッジ・オブ・デザインはカーデザインの教育で世界的に有名ですが、映画業界やゲーム業界のコンセプト・アーティストとして働く人を多く卒業させています。『ブレードランナー』のデザインを担当したシド・ミードさんや『スター・ウォーズ』のデザインを担当したラルフ・マッカリーさんが有名です。

そこでアート・センターでは近年になってエンターテイメント・デザイン学科を設置しました。以前アート・センター・カレッジ・オブ・デザインのアドミッションズ・オフィスの人に話をきいたところカーデザインの学科とエンターテイメント・デザインの学科は人気なので入学するのは難しいと言ってましたから、このような書籍で基礎が学べるのはありがたいことです。

エンターテイメント・デザイン学科の授業

下記の書籍はスコット・ロバートソンさんがエンターテイメント・デザイン学科の授業をまとめた内容になっています。学生に出した課題と生徒たちの作品と解説などから授業の雰囲気が伝わってきます。特に「どのようにアイディアを作り、コンセプトアートとして作り上げあるのか」という点についてよく理解できます。アメリカの私立大学は学費が2千万円以上するのでおいそれと体験することはできませんから貴重な書籍です(笑)。

THE SKILLFUL HUNTSMAN / うでききの狩人

3人の学生がグリム童話の「うでききの狩人」をモチーフにコンセプトアートをつくるプロジェクトです。学生たちの作ったコンセプトアートと解説に対してスコット・ロバートソンさんがコメントを書いています。コンセプトアートとはどのようなモノなのかを知るのには良い本です。

THE SKILLFUL HUNTSMAN / うでききの狩人

エンターテインメントの未来/in the future…

エンターテイメント・デザイン学科の教授陣から出題されたさまざまなプロジェクトにたいする学生たちの作品が掲載されています。テクニックや制作方法だけでなく、学習に必要となるカリキュラムの作り方なども参考になります。

エンターテインメントの未来/in the future…

絵を描くのに才能は必要なのか? 名門美術大学が教えるマイレージという考え方

「趣味で絵を描いています。」と言うと、決まって帰ってくる言葉が「絵の才能があるなんてうらやましい!」という返事。本当に「うらやましい」と思っているかは怪しいところですけど(笑)、日本人は「自分には絵を描く才能がない」と思っている人がけっこう多いようです。

「自分には才能がない」という嘆き

年配の方が多く集まるカルチャースクールでも「自分には絵を描く才能がない」と言う嘆きを聞くことがあります。特に絵を描き始めたばかりの人がこの嘆きの言葉をつぶやくと次回のクラスから来ない確率が高くなるので注意が必要です。せっかく子育てや仕事から解放されて自分の好きなことをはじめたのに、「自分には才能がない」と思って趣味をやめてしまうのはもったいないことです。

「才能」よりも「トレーニング」が必要

美術系の大学を卒業した友人たちは「才能なんていらない。美術予備校でデッサンの基礎からトレーニングし、テクニックを学べば問題ない!」と言います。なので初心者に必要なのは適切なトレーニングをこなしたり、テクニックを学ぶことです。しかし義務教育では絵を描くためのトレーニング方法やテクニックなどを教えていないので、絵を描くことは「学習でき、教えることのできる技術」だということにすら気がつかれていないのが現状です。

補足:絵が描けない原因を解説し、絵を描くための効果的な学習システムを作ったテキストが『脳の右側で描け』です。この本に掲載されているトレーニングを体験すれば「学習でき、教えることのできる技術」だと理解することができると思います。詳しくはこちらのリンクに記事をまとめています。


決定版 脳の右側で描け[第4版]
ベティ エドワーズ (著), 野中 邦子 (翻訳)

「生まれ持っての才能」という考え方を否定する

カーデザインで世界的に有名な大学アートセンター・カレッジ・オブ・デザインでは「生まれ持っての才能なんて無い」と教えているそうです。世界トップクラスの大学で「生まれ持っての才能」という考え方を否定しているのですから、初心者である我々が「自分には絵を描く才能がない」なんて嘆くのは意味がないことです。

「マイレージ」という考え方

アートセンター・カレッジ・オブ・デザインでは「生まれ持っての才能」を否定する代わりに、「マイレージ」という考え方を教えるそうです。「マイレージ」とは走行距離のことで、自分が「どのくらいのまで到達したのか?」と考える方法です。

計測できる指標を使う

「才能」のように計測することのできない指標で自己評価をしても意味がありません。それよりも「マイレージ」のように「作品を1000個作った」「毎日アイディアスケッチを10年続けた」など達成したことを数値数で考える方が役に立ちます。

「生まれ持っての才能」と言っていられない現状

アートやデザインの分野では競争が激しいのでアートセンターのような有名大学を卒業しても就職はなかなか厳しいようです。日本の大学とは違い、アメリカの私立大学は数千万円に及ぶ学費がかかります。就職できない学生は巨額の借金だけが残ってしまうので「生まれ持っての才能」などと言って安心感に浸ってられないのが真相です(笑)。

カルチャースクールのススメ

何からスタートしたらいいのかわからない

趣味として絵を描きたいと思っていても、どこからスタートしたらいいのか悩んでいる人は多いと思います。画材の選び方、デッサンの方法、絵の保存の方法などわからないことばかり。書店に行って書籍を購入してもよくわからないことばかり・・・。私の場合は「リンゴの描き方は読んだけど、どこへ行けば鉛筆と紙が買えるの?」というレベルでつまづいていました。普通の生活をしている人にとって絵を描くということは未知の世界であって、ほんのちょっとしたことでも知らないことが多いのです。(今はインターネットがあるので私のようなレベルでつまづかないかもしれません)

カルチャースクールに通う

身の回りに画家や美大受験の経験があるデザイナーがいれば、簡単な疑問に答えてもらえたのかもしれません。しかし絵を描こうと思った当時は絵に興味をもつ友達すらいなかったので1人で悩んでいました。結局、全くわからなかった私はたまたま広告で見たカルチャースクールに通うことにしました。

先生は初心者の対応に慣れている

カルチャースクールは学校教育のように堅苦しい場ではないので、まったく絵の知識がない人でも気楽に学ぶことができます。毎月のように新しい生徒さんが入ってくるので、カルチャースクールの先生は初心者の対応に慣れているケースが多いです。最低限必要となる画材の情報、品揃えが豊富で値段の安い画材店の情報などの基本的な情報から教えてくれるでしょう。先生によってはそれらの基礎情報をプリントで配布してくれることもあります。

自分の楽しめそうなクラスを受講する

カルチャースクールにはさまざまなクラスがあるので、自分の楽しめそうなクラスを受講してみるといいでしょう。絵をはじめて描くからと言ってデッサンからスタートする必要はありません。水彩画、パステル画、アクリル画、版画など自分の興味あるクラスを探すと趣味として長続きします。見学が可能な場合は事前に授業を見学してみるといいでしょう。「先生との相性はよさそうか?」「生徒さんの雰囲気はよさそうか?」「自分のやりたい方向性と一緒なのか?」など自分の要望にあったクラスを事前にチェックできます。

様々なクラスを受講する

慣れてきたらさまざまなクラスを受講してみるといいかもしれません。日本の大学やお堅い習い事のシステムとは違うので、気軽に興味のあるクラスに参加できるのがカルチャースクールのいいところです。いくつものカルチャースクールを掛け持ちしている生徒さんも多いようです。

他の生徒さんからも学べる

もうひとつカルチャースクールのメリットは先生から学べるだけでなく、他の生徒さんからも学べることです。ひとりでがんばろうと思っても挫折しやすいですし、他の生徒さんと絵を描くことは励みになると思います。例えば他の生徒さんから「最近、色の使い方が大胆だね」とか「背景の処理が上手くなってきたね」など褒められることで、自分では気がつきにくい変化を知ることができます。クラスによっては先生よりも生徒さんのほうがキャリアが長い場合もあり、絵のこと以外でも大変勉強になります。

授業をお休みしてもOK

受講料がもったいないですけど、クラスをお休みしてもOKです。それによって次回からの授業についていけないということはないと思います。軟弱なようですが、社会人にとって絵を描き続けるのは意外とむずかしいことです。平日は仕事に追われているのに、休日も美大受験生のようにガリガリ描いていたら気が休まりませんし、楽しくないと思います。あまり堅苦しく考え無いで、スポーツジムに行くような感覚で参加してみるといいと思います。楽しんで学んでいきましょう。

書籍 『永沢まことの花のスケッチレッスン』 を読む

永沢まことさんの書籍『永沢まことの花のスケッチレッスン』を読みました。この書籍は以前紹介した『永沢まことのとっておきスケッチ上達術』と同様、これから絵を描きはじめたい人向けのテキストです。

永沢まことの花スケッチレッスン―ペンと水彩で描く (さぁ、始めよう!)

今回は花の絵を描くことをテーマにしながら、永沢まことさんの描き方を学習できます。基本的な絵の描き方は『永沢まことのとっておきスケッチ上達術』と変わりませんが、花特有の描き方や制作方法など、永沢まことさんの書籍を読んだことがある人でも楽しめる内容となっています。

また花の開花情報、永沢まことさんが使用している画材、全国の主な画材店情報、など初心者にとってはすぐに役立つ情報も書かれています。特に画材の紹介はメーカー名まで載せてあるので、これから画材を買い集めなくてはならない初心者にはありがたい情報だと思います。

以前の書籍と読み比べて気になったポイントと、改めて感じたことをメモしておきます。

直線、曲線、円を描くトレーニング

絵を描いたり、インダストリアルデザインなどにとっては基礎的なトレーニングです。直線を引くなんてわざわざトレーニングする必要ないと思われがちですが、いざ紙の上に描いてみると意外に難しいものです。このトレーニングをするときは大きく描くので、古新聞もしくは、安いニュースプリント・パッドに描くといいでしょう。

ノートや不要な紙で試し書きをする

以前はよく観察してから、いきなり描きはじめる方法でしたが、この書籍では小さい紙に試し描きをすることが進められています。永沢まことさんは試し描きはスポーツ選手が試合前にする準備体操と同じようなモノと書いています。試し描きをすることで、さらに観察できるでしょうし、ノリにのったところで本番の制作に移れるのでおすすめです。

人物スケッチをストックしておいて花の絵の背景として活用する

以前の書籍では現場で制作しているイメージでしたが、今回はもっと自由に制作していい雰囲気が出ています。また人物スケッチを後で活用することを考えれば、手帳サイズの人物スケッチにも真剣に取り組めそうです。

一点突破で描く方法

構図を決めないで、一点突破でどんどん書き進めて制作する方法は以前と同じです。直感によってひらめいたところから描き進めていくこの方法はスリリングで楽しみながらスケッチできると思うのでおすすめです。しかし構図ってなんだ?と思ったら村上隆さんの著書、芸術闘争論に詳しくでているので読んでみると参考になると思います。

芸術闘争論

色の塗り方

以前の書籍と全く違うのが第3章です。グリーン、イエロー、ピンク、ブルー、レッド、オレンジと色ごとに塗り方が説明がされています。永沢まことさんのサンプル画がたくさん使われているので、見ているだけでも楽しいです。

「スケッチ」「線」「色」についてのQ&A

本書の最後の方にあるQ&Aです。学習を進めていく上での重要なことが描かれています。特に最後の質問『線のスケッチとは違った絵を描きたくなったら?』は重要なので、永沢まことさんの学習方法で絵を描くことの楽しさを覚えたら読み返したほうがいいでしょう。永沢まことさんの書いているように、絵の世界はさまざまな絵のスタイル、さまざまな画材があります。どんどん試してみて自分の世界を広げていると、いつの間にか次のステップに進めると思います。お互い楽しみながら頑張りましょう。