「作品を他人に見せること」は過酷な試練???


絵を趣味としてはじめたいと思っている人におススメしている本が、永沢まことさんの著作です。絵の描き方だけでなく、作品を他人に見せることについてのアドバイスも掲載しています。

作品を他人に見せること

永沢まことさんの本(例えば永沢まことのとっておきスケッチ上達術)がよくできている理由は絵を描くことだけでなく、作品を作った後のことについてもアドバイスしていることです。その中でも特に重要なことが「他人に絵を見せること」です。他人(絵を描いてない人)に見てもらうことにより、自分の絵を知ることができることは重要なことです。しかしこれが意外と過酷な試練なのです(笑)。




ショックを受ける前に知っておくべきこと?

「自分の描いた絵を他人に見てもらうことは絵を描くことと同様に楽しいこと」・・・と思ったら大間違い(笑)!永沢まことさんは他人からの反応について「お世辞もあるし、無視や無反応(実際にはこれが一番多い)もあります」と書いています。私の経験でも90%くらいは無反応です。最初のうちはショックだと思いますが、この反応は普通のコトなのでいずれ慣れると思います(笑)。

なぜこのような過酷な試練を受けるのか?

永沢まことさんは著書のなかで「他人を信頼し、その反応の全てを素直な心で受け止めた上、自分一人で考え、そして立て直すのです。すると次に描く絵は少し違った感じになっていくはずです」と書いています。またその結果として「よく言われる個性とは、こういうプロセスのなかからのみ生まれる」とも書いています。

私の経験でも他人からの指摘や一瞬の反応から、さまざまな発見をすることが多いです。特に無反応しか引き出せない作品の場合は大幅な見直しが必要になることが多いです。なので「他人に絵を見せること」は過酷な試練でもありますが、それよりも大きな収穫があることは間違いないです。

また修行を積んだプロのアーティストに自分の描いた絵を見てもらうことも重要です。ダメな箇所については論理的に解説してもらえますし、自分が気がついていない良い所も指摘してもらえるでしょう。




名作だって他人からの無反応に耐えている

それでも他人の無反応がつらいと思うなら、このように考えてはいかがでしょうか?美術館に収蔵されている名作だって他人からの無反応に耐えているのです。美術館に行くとよく観覧に来た人たちが「よくわからなかった」とつぶやいていますよね。この「よくわからなかった」という言葉は無反応と大差ありませんから・・・そのように考えると名作こそが人々からの無反応に耐えているのかもしれません(笑)。

永沢まことさんの本

残念なことに永沢まことさんの著作はたくさんあるのですが絶版になっている本も多いです。しかし定期的に新しい本が出版されています。今までの傾向だと内容がグレードアップされているので新しく出版された本でも問題ないと思います。どうやら初心者むけの趣味の本(特に絵や写真など)は次々に出版されていきますが、再販されることはなかなかないようです。

永沢まことの街歩きスケッチ入門

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「他人に絵を見せること」について書かれた書籍『SHOW YOUR WORK!』

「他人に絵を見せること」についてはオースティン・クレオンさんの著書『クリエイティブを共有! SHOW YOUR WORK! “君がつくり上げるもの”を世界に知ってもらうために』もおすすめです。タイトルが示しているように「他人に絵を見せること」について書かれた書籍です。見せ方だけでなく、アーティストとしてどのように活動していくのか考えさせられる書籍です。なので漫画、イラスト、写真など、あらゆるクリエイティブな活動をしている人が読んで役にたつ本だと思います。

ちなみにオースティン・クレオンさんの著書『クリエイティブの授業 STEAL LIKE AN ARTIST “君がつくるべきもの”をつくれるようになるために』もおすすめです。

クリエイティブを共有! SHOW YOUR WORK! “君がつくり上げるもの”を世界に知ってもらうために

クリエイティブの授業 STEAL LIKE AN ARTIST “君がつくるべきもの”をつくれるようになるために