やみくもに絵を描いても「自分が上達したのか」わかりません。特に絵を描いたり、モノを作ったりするような趣味では、上手くできることもあれば、下手になっていることもあります。また上達したことにより、制作作業が楽になってしまうと、『十分な達成感』を感じなくなります。そのような時にこそ注意が必要で、根拠なく「自分は下手だぁー」と落ち込んでしまうことがあります(笑)。
上達度を客観的に計測することの重要性
絵を描いたり、モノを作ったりする趣味は上達したことを実感できなくなると、挫折する確率が高くなりがちです。なので自分の上達度を客観的に計測できる方法を身に着けておく必要があります。
30枚きっちり描く事のすすめ
カルチャースクールの人気講師でもあり、画家の永沢まことさんは著書『永沢まことのとっておきスケッチ上達術』の中で「30枚きっちり描くこと」をアドバイスしています。
永沢まことのとっておきスケッチ上達術
出版社: 草思社
著者: 永沢 まこと
悩むのは30枚描いてから
永沢まことさんは「30枚もの枚数を描くとハッキリと『上達している』、もしくは『何かが変わった』と言える」とアドバイスしています。なので初心者のうちは「なかなか上達しないなぁ」と考えるより、割り切って「30枚きっちり描く」ことだけを考える方が精神的に良いです。特に初心者のうちは30枚も描くと確実に実力がついているので、不安に思う必要はありません。
夢中で描いている時は客観的に分析できない
絵を描いている時や、描き終わった直後は、描くことに夢中になっているので、客観的に分析することは難しいです。描くのに行き詰まったり、これで完成と思った時点で描くのを止めておきましょう。無理に描こうとすると今まで描いた絵を壊してしまう可能性があります。
客観的に自分の絵を分析する
30枚描き上げてから自分の絵を見直すと、描いたときから時間が経っているので、客観的に絵を評価できるようになります。自分の好きな表現やテクニックが明確になったり、知らず知らずのうちに新しいことにチャレンジしていたことにも気がつくと思います。上達しているところは褒め、失敗しているところは次の課題としておきましょう。
気に入らなかった絵も保存しておく
描いたときには気に入らなかった絵でも、時間が経つと愛着がわくことがあり、今後の作品のテーマになることもあります。なので描いたときに「この絵は失敗」なんて思わず、きちんと保存しておくといいでしょう。
どうしても分析できない時
「この絵は何かがおかしい!だけどハッキリした答えがわからない・・・」このような時は、あまり頭を悩ませる必要はありません。部屋の片すみにでも放置しておいてください(笑)。そして時折その絵を眺めるといいでしょう。漠然と絵を見つめているうちに、何が論理的におかしいのか理解できる時が必ず来ます。それまでは他の作品に取り組みながら、気長に待ちましょう。
追記:他のテキストでも問題ありません
残念ながら上記におすすめした『永沢まことのとっておきスケッチ上達術』は絶版となって入手が困難です。しかし永沢まことさんの書籍はたくさん出版されているので、入手しやすいモノから読んでみることをお薦めします。他のテキストでも基本的なアドバイスは同じです。