マイケル・ハンプトンさんの著書『Figure Drawing: Design and Invention 』がついに日本語に翻訳されます。タイトルは『マイケル・ハンプトンの人体の描き方』です。人体を立体図形に見立てた描き方や、動きのある筋肉表現をマスターすることができます。
人体を立体図形に見立てる手法
人物デッサンを描く手法のひとつに、人体を立方体や球体などの立体図形に見立てて描く手法があります。
例えば頭部を球体、胴体を円柱、腰を立方体などの立体図形として見立てることで、人体のボリュームを決めることができます。
特に参考資料などがなく、イメージだけで人体を描かなければならない場合や、下描きの段階では有効なテクニックです。
解剖学からの応用は難しい
人物デッサンのために解剖学を勉強しても、すぐに応用するのは難しいです。せっかく筋肉や骨のしくみを覚えても、人体の表面に表れる筋肉や骨は部分的です。
さらにポーズによっては、どの筋肉が表面に現れているのか理解するのが大変難しいです。なので覚えたばかりの頃は、解剖学の知識がよけいな混乱を招いてしまうことがあります。
そこで解剖学を意識したデッサンの入り口として、人体を立体図形に見立てる手法からスタートすることは大変効果的だと思います。
『マイケル・ハンプトンの人体の描き方』の内容
基礎的なジェスチャードローイングから解説しているので、はじめて人物デッサンを学ぶ初心者から学習できます。その後に頭、体、腕、手、足と細部の描き方が続き、最後は布の描き方と光と影の描き方が解説されています。
積み木を組み立てるイメージ
この本では筋肉をある程度まとまったグループとして扱い、積み木を組み立てるように描いていきます。なので関連する筋肉の構造が理解しやすく、人物の動きを強調する筋肉表現も学べます。
模写をしながら読むといいかも?
サンプルのスケッチがたくさん掲載されているので、模写をしながら読んでいくといいでしょう。その方が人体の構造を理解しやすいです。
最終ゴールはマイケル・ハンプトンさんの手法を再現できるようになることですから、意識しないでも描けるようにマスターしましょう。
立体的に物をとらえる訓練にも?
このテクニックは体のパーツを立体としてイメージしながら描いていくので、彫刻や3D-CG、CADなどになじみがある人の思考方法に近いと思います。なので人物デッサンのトレーニングだけでなく、立体的に物を認識する訓練になると思いますよ。