絵を描き始めた頃は上手く描こうと意識しすぎて描けなくなってしまうことがあります。意識が高くなってもいいことは何もなく、むしろ事態は悪くなる一方です(笑)。
白紙を恐れないで描くこと
新しい画用紙を購入すると、必要以上に気合が入り「失敗しないように描こう」という気持ちが強くなってしまうことがあります。特に白い紙を汚してしまうのが怖くなってしまうと重症です(笑)。白い紙を前にして1日、2日、そして3日といつまでたっても描けなくなってしまいます。
客観的に考えるとバカバカしいことですが、初心者にとって白い紙の前で固まってしまうことはよくあることです。 精神状態としては新しい携帯電話の液晶画面に貼ってあるフィルムを剥がせない人や新車の座席をカバーしているビニールを剥がせない人と同じような状態と言ったらわかりやすいでしょうか?
追記:スマートフォンになる前の携帯電話の画面には出荷時にフィルムが張られていました。使用時には剥がすことを前提にしていた物で、スマートフォンの画面保護フィルムのように使用することはできませんでした。
白い紙をあえて汚してしまう
ある画家にそのことを相談したら「あえて木炭やパステルでよごしてしまったら?」とのアドバイスを頂きました。最初は「せっかくの新品がもったいないなぁー」と思いましたが、実際に汚してみると今までの過剰な自意識から開放されて気楽な気分で制作に入ることができました。あえて汚したところが問題になるようなことも無かったので、今まで白い紙の前で悶々と悩んでいた時間がバカみたいです。そもそも失敗したらまた作り直せばいいだけですから(笑)。
スケッチブックも恐れずに描く
上記のような症状を発症している人がスケッチブックに絵を描こうとしたら大変なことです。新しいスケッチブックを前にして「このスケッチブックを最高の作品集にするぞ!」なんて思ってしまったら、誰だって描けなくなってしまうと思います(笑)。なので悶々と壮大な構想を練ったりしないで、スケッチブックの最初のページには落書きレベルの絵を描いてしまうことで過剰な自意識から開放してしまうことをおすすめします。
スケッチブックは作品集ではないのでポートフォリオを見せる
そもそもスケッチブックを最初から最後まで完璧に描くなんて至難の技です。誰かに作品を見せたい場合はスケッチブックを見せるのではなく、ポートフォリオを見せるようにしましょう。
ポートフォリオとは自分の作品集のことで、良くできた作品だけをスケッチブックから切り取り、クリアブックに入れて管理します。クリアブックを使用することで新しい作品ができたらいつでも追加できますし、簡単に見せる順序を変えることができます。
追記:最近はポートフォリオに使えるような見栄えが良いクリアブックが販売されています。キングジム レザフェス クリアーファイルは事務用品のように安っぽく見られないので重宝するでしょう。カラーも4色出ているので自分の作品に合った物を選ぶことができます。細かいことのように思えるかもしれませんが、キビシイ批評で精神的ダメージを食らわないように、初心者の時はプレゼンテーションに気を配っておいた方が無難です(笑)。
製本した作品集
本格的にポートフォリオができあがったら、製本して作品集にしてみるのもいいでしょう。クリアブックのポートフォリオより格段に見栄えがいいので、相手からの反応もいいと思います。
さまざまなポートフォリオ
最近ではデジカメで写真をとってスライドショーする方法や、Webサイトに作品をアップする方法もあります。またFacebookやFlickrのようなWebサービスもあるので活用してみるといいかもしれません。