自己啓発やオカルトの本ではない・・・ちゃんとした美術の入門書『脳の右側で描け』(笑)

『右脳と左脳を使ったトレーニング』と書くと、かなり怪しいセミナーのトレーニングと勘違いされるかもしれません。しかし書籍『脳の右側で描け』はちゃんとした美術の入門書です(笑)。

なので急に予知能力が身についたり、透視能力が身につくことはありません。ましてや映画『超能力学園Z』のような事は起こせませんから、安心してトレーニングに挑戦できます(笑)。


決定版 脳の右側で描け

絵が描けない人たちのために開発された学習プログラム

カリフォルニア州立大学ロングビーチ校で教鞭をとっていたベティ・エドワーズさんが開発した学習プログラムを書籍にしたのが『脳の右側で描け』です。この学習プログラムは「絵が全く描けない人たち」が効率的に学習できるように作られました。

絵を描くことは誰でもできる

書籍『脳の右側で描け』が証明したことは「絵を描くこと」は教えることができるし、学習することができるということです。今まで絵を描いたり、モノを作ったりする芸術活動は「才能のある人の特権」のように思われていましたが、本当は日曜大工や裁縫のように誰でもマスターできる技術なのです。

トレーニングについて

実は掲載されているトレーニングはどれも特殊なものではありません(笑)。基本的に美術の古典的なトレーニングとテクニックばかりです。ただしこれらのトレーングやテクニックはベティ・エドワーズさんによって、効率的に学習できるように順序良く構成されています。

画期的な解説

『脳の右側で描け』の功績は他にもあります。美術の専門用語を使わずに、絵を描く時の脳や知覚の働きを解説したことで、今まで絵を描いたことがない人でも理解できるようになったことです。特に「なぜ絵が描けないのか?」という問題を解決したことは、多くの人に絵を描く楽しみを広げたと思います。


決定版 脳の右側で描け
出版社: 河出書房新社
著者: ベティ エドワーズ

ワークブックについて

絵を描く理論よりも実践することに興味がある人はワークブックを試してみるといいでしょう。


決定版 脳の右側で描けワークブック[第2版]
出版社: 河出書房新社
著者: ベティ エドワーズ


絵を右脳で描く―「描く能力」が劇的に向上 (朝日カルチャーセンター講座シリーズ)
出版社: 旬報社
著者: クリスティン ニュートン、古賀 良子

絵を描くのに才能は必要なのか? 名門美術大学が教えるマイレージという考え方

「趣味で絵を描いています。」と言うと、決まって帰ってくる言葉が「絵の才能があるなんてうらやましい!」という返事。本当に「うらやましい」と思っているかは怪しいところですけど(笑)、日本人は「自分には絵を描く才能がない」と思っている人がけっこう多いようです。

「自分には才能がない」という嘆き

年配の方が多く集まるカルチャースクールでも「自分には絵を描く才能がない」と言う嘆きを聞くことがあります。特に絵を描き始めたばかりの人がこの嘆きの言葉をつぶやくと次回のクラスから来ない確率が高くなるので注意が必要です。せっかく子育てや仕事から解放されて自分の好きなことをはじめたのに、「自分には才能がない」と思って趣味をやめてしまうのはもったいないことです。

「才能」よりも「トレーニング」が必要

美術系の大学を卒業した友人たちは「才能なんていらない。美術予備校でデッサンの基礎からトレーニングし、テクニックを学べば問題ない!」と言います。なので初心者に必要なのは適切なトレーニングをこなしたり、テクニックを学ぶことです。しかし義務教育では絵を描くためのトレーニング方法やテクニックなどを教えていないので、絵を描くことは「学習でき、教えることのできる技術」だということにすら気がつかれていないのが現状です。

補足:絵が描けない原因を解説し、絵を描くための効果的な学習システムを作ったテキストが『脳の右側で描け』です。この本に掲載されているトレーニングを体験すれば「学習でき、教えることのできる技術」だと理解することができると思います。詳しくはこちらのリンクに記事をまとめています。


決定版 脳の右側で描け[第4版]
ベティ エドワーズ (著), 野中 邦子 (翻訳)

「生まれ持っての才能」という考え方を否定する

カーデザインで世界的に有名な大学アートセンター・カレッジ・オブ・デザインでは「生まれ持っての才能なんて無い」と教えているそうです。世界トップクラスの大学で「生まれ持っての才能」という考え方を否定しているのですから、初心者である我々が「自分には絵を描く才能がない」なんて嘆くのは意味がないことです。

「マイレージ」という考え方

アートセンター・カレッジ・オブ・デザインでは「生まれ持っての才能」を否定する代わりに、「マイレージ」という考え方を教えるそうです。「マイレージ」とは走行距離のことで、自分が「どのくらいのまで到達したのか?」と考える方法です。

計測できる指標を使う

「才能」のように計測することのできない指標で自己評価をしても意味がありません。それよりも「マイレージ」のように「作品を1000個作った」「毎日アイディアスケッチを10年続けた」など達成したことを数値数で考える方が役に立ちます。

「生まれ持っての才能」と言っていられない現状

アートやデザインの分野では競争が激しいのでアートセンターのような有名大学を卒業しても就職はなかなか厳しいようです。日本の大学とは違い、アメリカの私立大学は数千万円に及ぶ学費がかかります。就職できない学生は巨額の借金だけが残ってしまうので「生まれ持っての才能」などと言って安心感に浸ってられないのが真相です(笑)。

カルチャースクールのススメ

何からスタートしたらいいのかわからない

趣味として絵を描きたいと思っていても、どこからスタートしたらいいのか悩んでいる人は多いと思います。画材の選び方、デッサンの方法、絵の保存の方法などわからないことばかり。書店に行って書籍を購入してもよくわからないことばかり・・・。私の場合は「リンゴの描き方は読んだけど、どこへ行けば鉛筆と紙が買えるの?」というレベルでつまづいていました。普通の生活をしている人にとって絵を描くということは未知の世界であって、ほんのちょっとしたことでも知らないことが多いのです。(今はインターネットがあるので私のようなレベルでつまづかないかもしれません)

カルチャースクールに通う

身の回りに画家や美大受験の経験があるデザイナーがいれば、簡単な疑問に答えてもらえたのかもしれません。しかし絵を描こうと思った当時は絵に興味をもつ友達すらいなかったので1人で悩んでいました。結局、全くわからなかった私はたまたま広告で見たカルチャースクールに通うことにしました。

先生は初心者の対応に慣れている

カルチャースクールは学校教育のように堅苦しい場ではないので、まったく絵の知識がない人でも気楽に学ぶことができます。毎月のように新しい生徒さんが入ってくるので、カルチャースクールの先生は初心者の対応に慣れているケースが多いです。最低限必要となる画材の情報、品揃えが豊富で値段の安い画材店の情報などの基本的な情報から教えてくれるでしょう。先生によってはそれらの基礎情報をプリントで配布してくれることもあります。

自分の楽しめそうなクラスを受講する

カルチャースクールにはさまざまなクラスがあるので、自分の楽しめそうなクラスを受講してみるといいでしょう。絵をはじめて描くからと言ってデッサンからスタートする必要はありません。水彩画、パステル画、アクリル画、版画など自分の興味あるクラスを探すと趣味として長続きします。見学が可能な場合は事前に授業を見学してみるといいでしょう。「先生との相性はよさそうか?」「生徒さんの雰囲気はよさそうか?」「自分のやりたい方向性と一緒なのか?」など自分の要望にあったクラスを事前にチェックできます。

様々なクラスを受講する

慣れてきたらさまざまなクラスを受講してみるといいかもしれません。日本の大学やお堅い習い事のシステムとは違うので、気軽に興味のあるクラスに参加できるのがカルチャースクールのいいところです。いくつものカルチャースクールを掛け持ちしている生徒さんも多いようです。

他の生徒さんからも学べる

もうひとつカルチャースクールのメリットは先生から学べるだけでなく、他の生徒さんからも学べることです。ひとりでがんばろうと思っても挫折しやすいですし、他の生徒さんと絵を描くことは励みになると思います。例えば他の生徒さんから「最近、色の使い方が大胆だね」とか「背景の処理が上手くなってきたね」など褒められることで、自分では気がつきにくい変化を知ることができます。クラスによっては先生よりも生徒さんのほうがキャリアが長い場合もあり、絵のこと以外でも大変勉強になります。

授業をお休みしてもOK

受講料がもったいないですけど、クラスをお休みしてもOKです。それによって次回からの授業についていけないということはないと思います。軟弱なようですが、社会人にとって絵を描き続けるのは意外とむずかしいことです。平日は仕事に追われているのに、休日も美大受験生のようにガリガリ描いていたら気が休まりませんし、楽しくないと思います。あまり堅苦しく考え無いで、スポーツジムに行くような感覚で参加してみるといいと思います。楽しんで学んでいきましょう。

絶版で入手困難となってしまった絵の描き方の入門書『脳の右側で描け』が第四版となって発売予定

これから趣味として絵やイラストを描くことをはじめたい人に朗報です。カリフォルニア州立大学ロングビーチ校で教鞭をとっていたベティ・エドワーズさんの入門書『脳の右側で描け』の第四版が発売されます。


決定版 脳の右側で描け

絶版になっていた入門書『脳の右側で描け』

『脳の右側で描け』の第三版が絶版となってしまったので、書店での入手が困難な状況になっていました。しかもAmazon.co.jpでは、中古価格が上昇してしまったので、購入をためらってしまった人も多かったと思います。しかし、もう大丈夫です。ついに第四版が発売されることが発表されました。

誰でも絵が描けるようになる入門書『脳の右側で描け』

絵を描くことは誰でもできる技術であり、しかも数学や英語のように「学習でき、教えることができる技術」であることを証明した本が『脳の右側で描け』です。脳科学のようなタイトルがついているので「自己啓発本」のようなイメージを持たれる方もいるかもしれませんが、内容はちゃんとした美術の入門書です(笑)。

美術の知識がゼロの人ほど重宝する入門書

「なぜ絵が描けないのか?」を脳の機能から解説することで、絵を描くための脳の使い方を学べます。またこの入門書は古典的な技法やトレーニング方法を効果的な学習順に組み立てたことでも有名です。他の入門書では切り捨てられてしまうような基礎的な技法やトレーニングが掲載されているので、美術の知識がゼロの人ほど重宝する入門書です。


決定版 脳の右側で描け
出版社: 河出書房新社
著者: ベティ エドワーズ

作品を見せる時はポートフォリオを使用するので制作前から上手く描こうとして悩む必要は無い

絵を描き始めた頃は上手く描こうと意識しすぎて描けなくなってしまうことがあります。意識が高くなってもいいことは何もなく、むしろ事態は悪くなる一方です(笑)。

白紙を恐れないで描くこと

新しい画用紙を購入すると、必要以上に気合が入り「失敗しないように描こう」という気持ちが強くなってしまうことがあります。特に白い紙を汚してしまうのが怖くなってしまうと重症です(笑)。白い紙を前にして1日、2日、そして3日といつまでたっても描けなくなってしまいます。

客観的に考えるとバカバカしいことですが、初心者にとって白い紙の前で固まってしまうことはよくあることです。 精神状態としては新しい携帯電話の液晶画面に貼ってあるフィルムを剥がせない人や新車の座席をカバーしているビニールを剥がせない人と同じような状態と言ったらわかりやすいでしょうか?

追記:スマートフォンになる前の携帯電話の画面には出荷時にフィルムが張られていました。使用時には剥がすことを前提にしていた物で、スマートフォンの画面保護フィルムのように使用することはできませんでした。

白い紙をあえて汚してしまう

ある画家にそのことを相談したら「あえて木炭やパステルでよごしてしまったら?」とのアドバイスを頂きました。最初は「せっかくの新品がもったいないなぁー」と思いましたが、実際に汚してみると今までの過剰な自意識から開放されて気楽な気分で制作に入ることができました。あえて汚したところが問題になるようなことも無かったので、今まで白い紙の前で悶々と悩んでいた時間がバカみたいです。そもそも失敗したらまた作り直せばいいだけですから(笑)。

スケッチブックも恐れずに描く

上記のような症状を発症している人がスケッチブックに絵を描こうとしたら大変なことです。新しいスケッチブックを前にして「このスケッチブックを最高の作品集にするぞ!」なんて思ってしまったら、誰だって描けなくなってしまうと思います(笑)。なので悶々と壮大な構想を練ったりしないで、スケッチブックの最初のページには落書きレベルの絵を描いてしまうことで過剰な自意識から開放してしまうことをおすすめします。

スケッチブックは作品集ではないのでポートフォリオを見せる

そもそもスケッチブックを最初から最後まで完璧に描くなんて至難の技です。誰かに作品を見せたい場合はスケッチブックを見せるのではなく、ポートフォリオを見せるようにしましょう。

ポートフォリオとは自分の作品集のことで、良くできた作品だけをスケッチブックから切り取り、クリアブックに入れて管理します。クリアブックを使用することで新しい作品ができたらいつでも追加できますし、簡単に見せる順序を変えることができます。


ナカバヤシ A4クリアブック 20ポケット ブラック

追記:最近はポートフォリオに使えるような見栄えが良いクリアブックが販売されています。キングジム レザフェス クリアーファイルは事務用品のように安っぽく見られないので重宝するでしょう。カラーも4色出ているので自分の作品に合った物を選ぶことができます。細かいことのように思えるかもしれませんが、キビシイ批評で精神的ダメージを食らわないように、初心者の時はプレゼンテーションに気を配っておいた方が無難です(笑)。


キングジム レザフェス クリアーファイル A4S 1931LF 黒

製本した作品集

本格的にポートフォリオができあがったら、製本して作品集にしてみるのもいいでしょう。クリアブックのポートフォリオより格段に見栄えがいいので、相手からの反応もいいと思います。

さまざまなポートフォリオ

最近ではデジカメで写真をとってスライドショーする方法や、Webサイトに作品をアップする方法もあります。またFacebookやFlickrのようなWebサービスもあるので活用してみるといいかもしれません。

「モノの形をとらえて描けるレベル」を「絵が描ける」とは言わない

私は絵を趣味としてはじめたのが大人になってからだったので、子供のころから絵を描いている人たちはどのような学習方法で腕を磨いてきたのか気になっていました。

どうやって絵が描けるようになったのか?

そこで子供のころから絵を描いている人たちに「どうやって絵が描けるようになったのか?」と学習方法について尋ねてみました。しかしその答えの多くが「どうしてだろう?いつの間にか描けるようになった」と無自覚な人が多く、私の疑問は長いこと謎のままでした。

「無自覚 = 神童」では無い

「無自覚で絵が描けるようになってしまった」と答えられると神秘的な感じに聞こえますが、事実は「子供だったので記憶にない」もしくは「子供のころの学習過程について振り返って考えたことは無い」というのが答えでした。決して「生まれ持った才能が必要」とか「神童だった」というわけではないようです(笑)。

自然と絵が描けるようになった経緯

なかなか子供のころの学習過程を語ることができる人にめぐり合えなかったのですが、あるデザイナーさんが自然と絵が描けるようになった経緯を説明してくれました。

自然と絵を描けるようになった人は、たいてい子供の頃に漫画やアニメを描くのが好きで、 模写をしているうちにモノの形を写すことができるようになるそうです。また子供にとって漫画やアニメを模写は遊びの一種であり、特別なトレーニングをしているという意識がないので無自覚なケースが多いとのことでした。

「モノの形をとらえて描けるレベル」を「絵が描ける」とは言わない

しかし子供の頃に絵が描けるようになった言っても、あくまで「モノの形をとらえて描けるレベル」であり、それは「絵が描ける」レベルではないとのことです。冷静に考えてみれば「モノの形をとらえて描く」ことは基本中の基本でしかなく、絵やイラストを制作するにあたってはさまざまなテクニックや理論を駆使しなくてはなりません。

「自然と絵が描けるようになる」ことは無い

上記のような理由から子供が美術教育を受けずに「自然と絵が描けるようになる」ことはあり得ないそうです。また子供に「モノの形をとらえて描く力」があったとしても、美術教育を受けずに描いているだけならば、そこそこのレベルにしか到達していないだろうとのことでした。

確かにピカソだって徹底的に教育されたから絵が描けるようになったのであって、自然と絵が描けるようになったわけではないですから。(ただしピカソの場合は親が美術教師なので9歳から14歳くらいの間で技法を完全マスターしています)

通常は教育機関で美術を学ぶ

子供のための美術教室などもあるのでピカソのように英才教育を受けている子供もいるのかもしれませんが、通常は高校生になって「美大受験のための予備校」で基本的なテクニックを学び、トレーニングを重ねるケースが多いそうです。ちなみに早い子供は中学生から予備校に通っているそうです・・・普通の受験と同じですね。

学習することの大切さ

通常の学習過程でさえ「美大受験のための予備校」で徹底的に学習するわけですから、独学で絵を描いている私などは、改めて基礎から学習する必要があることを実感させられました。ちなみにいろいろ教えてくれたデザイナーさんは私の友人なので本当はもっと厳しくアドバイスされました。「独学でチンタラ勉強してないで、予備校で基礎をすべて学んでこい!」と・・・(T_T)