皮膚の下の構造がよくわかる人体の参考資料『Drawing the Living Figure(英語版)』

人体の参考資料としてジョセフ・シェパードさんの著書『Drawing the Living Figure(英語版)』を使用しています。人体の表面に現れるカーブや凹凸などが、皮膚の下でどのように構成されているのか理解できます。また掲載されている人体デッサンには注釈がついているので、パッと見ただけでポイントとなる箇所を見つけることができます。


Drawing the Living Figure (Dover Anatomy for Artists)

本の構成

本を開いて左側のページに全身のドローイングが掲載されています。人体デッサンのポイントとなる箇所にアルファベットの注釈が書きこまれており、骨や筋肉の状態の短い説明が書いてあります。右側のページには左側のページでポーズした姿の骨イラストと筋肉のイラストが掲載されています。人体のドローイングと2つのイラストを見比べるとで、骨と筋肉の構造がどのようになっているのか理解できます。

全60ポーズ掲載

全部で60ポーズも掲載されているので参考資料として十分に使えると思います。またポーズの種類ごとにチャプターがまとめられているので便利です。基本的に男性のポーズと女性のポーズが交互に掲載されているので男女比はバランスがとれています。

  • チャプター1:基本的なポーズで人体の確認
  • チャプター2:立ちポーズ
  • チャプター3:すわりポーズ
  • チャプター4:ひざをついたポーズ
  • チャプター5:しゃがんだポーズ
  • チャプター6:寝ポーズ
  • チャプター7:ひねりポーズ

英語版ですが問題無く使えます

この書籍は英語版での出版しかされていません。しかし英語は注釈に書かれた短い説明と骨や筋肉の名称の表記にしか使われていません。なので英語版でも全く問題なく使えます。

人体の名称を覚えたい場合

人体の名称を覚えたい人は書籍『アーティストのための美術解剖学』の巻末に掲載されている解剖学活用ガイドと用語解説を使ったほうが便利です。(記事:人体を知るための書籍『アーティストのための美術解剖学』へリンク)読み仮名、発音の仕方、名称の由来なども解説しています。

アーティストのための美術解剖学―デッサン・漫画・アニメーション・彫刻など、人体表現、生体観察をするすべての人に

人体の参考資料として重宝している書籍『Anatomy for the Artist(英語版)』

人体の絵を描く時に参考資料として書籍『Anatomy for the Artist(英語版)』を使用しています。残念ながらこの書籍は日本語に翻訳されていないため、英語版のみが出版されています。この書籍のタイトルが示すように『アーティストのための解剖学』として作られていますが、掲載されている写真とイラストが良いので人体の参考資料としても役立っています。

Anatomy for the Artist

面白い仕掛けで解剖学を理解できる

この書籍が他の解剖学の書籍とは違うのは面白い仕掛けで解剖学を理解できる事です。書籍を開くと片側のページに人体の写真を掲載し、もう片方のページに半透明の紙に描かれた解剖イラストを掲載した箇所があります。この半透明の紙のページを写真のページに重ねることで、人体の写真に骨や筋肉のイラストが対応する仕掛けになっています。感覚としてはレントゲン写真を見るような感じで学習できます。

人体の写真

写真が大きく掲載されているので人体の細部を確認できます。また手や足などの各部分の解説に使われている写真では男女をまぜた複数のモデルさんを掲載しているので個人的な違いや人種的な特徴なども確認できます。

解剖イラスト

綺麗な鉛筆のスケッチで描かれた解剖図がたくさん掲載されています。色彩は使われていないので筋肉と骨の表現が一目で分かるような図解ではないのですが、解剖図が大きく掲載されているのでわかりやすいと思います。

モデル

男女のモデルが交互に掲載されているので男女比のバランスがとれていると思います。どのモデルさんも綺麗なスタイルをしているので見とれてしまいます。特に男性のモデルさん達は筋肉がすごいので解剖学の学習に役立つと共に制作の参考資料としても役立つと思います。

英語の名称を調べる場合

英語で書かれているので解剖イラストに書かれた人体の名称を調べる場合はマール社から出版されている書籍『アーティストのための美術解剖学』を共に使用すると便利です。記事:人体を知るための書籍『アーティストのための美術解剖学』へリンク

アーティストのための美術解剖学―デッサン・漫画・アニメーション・彫刻など、人体表現、生体観察をするすべての人に

人体を知るための書籍『アーティストのための美術解剖学』

人物デッサンや人物をモチーフに作品制作をしていると解剖学を勉強する必要性を感じると思います。しかし「難しい医学用語で解説さても理解できないのでは?」と感じてなかなか勉強する気にならないと思います。「解剖学は難しい」そんな思いこみを払拭してくれた書籍がアーティストのための美術解剖学』です。アーティストが理解できるように解剖学の基礎から解説し、必要な知識にターゲットをしぼっています。また専門用語には読み仮名と英語が併記されているので読みやすいです。

アーティストのための美術解剖学―デッサン・漫画・アニメーション・彫刻など、人体表現、生体観察をするすべての人に

対象となる読者

人体における各部位の名称や構成そして機能について学べます。なので解剖学の基礎知識を使って人体デッサンや作品制作に応用したい人向けの書籍です。ただし解剖学の書籍なのでジャック・ハムさんの著書『人体のデッサン技法』のような人体の描き方を解説した本ではありません。

初心者でも手元に置いておきたい書籍

初心者にとって解剖学はすぐに応用できる知識ではないかもしれません。しかしいずれマスターしなくてはならない知識だと思います。なので初心者はこの書籍を手元に置いて少しずつ理解していけばよいと思います。掲載されている情報量がかなり多いので時間をかけて何度も読んでいくうちに自分なりの応用の仕方ができるようになると思います。

原書のタイトル

原書のタイトルは『Classic Human Anatomy: The Artist’s Guide to Form, Function, and Movement』です。直訳するなら『伝統的な解剖学;アーティストのための形、機能、動きのガイド』といった感じでしょうか?なので原書には日本語訳のタイトルについている『デッサン・漫画・アニメーション・彫刻など、人体表現、生体観察をするすべての人に』と書かれた副題は書いてありません。たぶんこの副題がついた理由は著者のヴァレリー・L・ウィンスロゥさんがピクサー・アニメーションスタジオで教えていたり、アニメーションの教育で有名なCalArtsで教えていたからでしょう。

解説とイラスト

医学や解剖学の知識がなくても理解できるように解説がされています。第1章:解剖学用語から読んでいくと人体の成り立ちがよく理解できるので読んでおいた方がいいでしょう。後の章は興味のある部位から読み進めてもいいと思います。またイラストが豊富に掲載されているので理解しやすいです。

難しい用語について

解剖学の難しいところは用語が読めないような漢字で書かれていることです。しかしこの本ならば難しい漢字をいちいち調べる必要がないので大丈夫です。各解説でとりあげられる解剖学の名称には読み仮名と英語名が併記してあるので学習しやすいです。また英語名は発音、語源、同義語などの解説が書いてあるので便利です。

解剖学活用ガイド

巻末に掲載されている解剖学活用ガイドと用語解説は人体の名称を覚えるのに大変便利です。解剖学活用ガイを使って人体の名称を辞書のように使って調べることができます。また英語名での表記もされているので役に立ちます。

国立新美術館にて『ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム展』が開催されます

国立新美術館で素敵なチラシを見つけたので手に取ってみると、国立新美術館で開催される予定の『ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム展』のチラシでした。どうやら2015年6月24日(水)~8月31日(月) まで開催されるそうです。この企画展のようにマンガやアニメ、ゲームなどのカルチャーが美術として評価されるようになったことは、今後の日本にとって意義あることだと思います。

手塚治虫さんが亡くなった1989年以降に焦点をあてた展示

手塚治虫さんが亡くなった1989年以降の25年間に焦点をあて、日本のマンガ、アニメ、ゲームを概観する展示となるそうです。今回の展示会のように現在進行形のテーマを扱うことは来場者に影響を与えるだけでなく、現在頑張って制作している作家さんたちにもいい影響を与えるのではないでしょうか?

8つの章に分けた展示構成

展示は8つ章(テーマ)に分けて構成されます。マンガ、アニメ、ゲームだけの視点でなく、テクノロジーやインターネット、コミュニケーションなどの視点も踏まえて企画されるようなので、25年間の変遷を考えさせられるものになりそうです。

  • 第1章:現代のヒーロー&ヒロイン
  • 第2章:テクノロジーが描く「リアリティー」―作品世界と視覚表現
  • 第3章:ネット社会が生み出したもの
  • 第4章:出会う、集まる―「場」としてのゲーム
  • 第5章:キャラクターが生きる=「世界」
  • 第6章:交差する「日常」と「非日常」
  • 第7章:現実とのリンク
  • 第8章:作り手の「手業」

ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム展の情報

会場:国立新美術館 企画展示室1E
期間:2015年6月24日(水)~8月31日(月)
開館時間:10:00~18:00 金曜日は20:00まで入館は閉館の30分前まで)
休館日:毎週火曜日休館
展覧会公式書籍を発売予定

アクリル絵具で絵を描くことに慣れてから油絵具を使ってみる

美術館で巨匠の描いた油絵の作品を見て、自分も油絵を描いてみたいと思った人は多いと思います。私もさまざまな画家の作品を見て同じように油絵を描くことにあこがれてきました。しかし、いざ油絵具を使用してみると油絵具には独自の問題点があり、そのことが原因で絵を描く自体をやめてしまった人もいると思います。

そこでこれから絵を描きはじめたいと考えている人にはアクリル絵具で絵を描くことに慣れてから、油絵具にチャレンジすることをおススメします。下記に油絵の問題点とアクリル絵具の利点についてまとめてみました。

油絵具の問題点

油のにおい

油絵具の問題点はにおいです。油絵具は顔料(色)に油を混ぜることにより、色をキャンバスに接着させます。この時に使用した油のにおいが強いので作業場所、もしくは絵の保管する部屋が確保できないと油絵具を継続して使うことが難しいです。

ちなみにアメリカではガレージを作業場と保管場所にしている人が多いのですが、残念ながらアメリカのガレージのように作業できる部屋がないのでどの部屋を作業場にするか悩んでしまいます。使ってない部屋があるからと言って仏間を使用するわけにもいかないでしょうし・・・日本画ならありかも?(笑)。

引火性

油を使うので発火の危険性があります。油絵具は油が酸化する作用で固まります。条件によっては熱を持ち発火することもあるようです。なので油や作品の保管、油を拭いた布などの適切な管理が必要です。

有害性

これも油のにおいに関係することですが、テレピン油には有害性があり、気化した蒸気を吸うと頭痛や目眩などを引き起こす可能性があります。制作中や油絵の保管時にも部屋の換気が必要です。子供やペットと一緒に住んでいる場合はあまり好ましくないかもしれません。

もし油絵制作のための作業スペースが確保でき、油絵具を使うことを決心した人は東京芸術大学 佐藤一郎教授+油画技法材料研究室編による専門書『絵画制作入門―描く人のための理論と実践』を読まれることをおススメします。特に78ページから83ページまで読まれると有害性や有毒性について理解できます。危険なケースについても書かれているので読んでおいた方がいいでしょう。

絵画制作入門―描く人のための理論と実践

水溶性の油絵具という選択もある

アクリル絵具と油絵具では仕上がった質感が違います。なので油絵具の表現にこだわりたい人は『水溶性の油絵具』を使う方法もあります。油絵具を水で溶けるので安心です。通常の油絵具は水で溶けませんので『水溶性油絵具』と書いてある絵具を購入してください。

アクリル絵具の利点

安全

油を使わないで、水でアクリル絵具を薄めるので安全です。においの問題もありませんし、引火する問題もありません。ただし油絵具もアクリル絵具も毒性のある顔料があるので食べたり、傷口につけたりしてはいけません。よって制作中の飲食などはひかえた方がいいでしょう。

水彩絵具のようにも表現できる

薄める水の量を多くすることで水彩絵具のようにも表現できるし、少なくすることで油絵具のようにも表現できます。多彩な表現にチャレンジできるので、絵の学習に大変役に立ちます。

乾燥が早い

アクリル絵具は水分が蒸発することで固まります。なので油絵具に比べて乾燥するのが早く、次の作業がしやすいです。仕事が忙しく、週末のみしか絵の制作時間がとれないような人には便利でしょう。

まとめ

最初はアクリル絵具を使ってみる

これから絵を描きたいと考えている人におススメするのはアクリル絵具です。日本の住宅事情を考えると油絵を描けるような作業スペースを確保できる人は少ないと思います。もちろん上記にあげた水溶性の油絵具を使えば問題ありませんが、水彩絵の具のようにも使えるアクリル絵具を使用したほうが初めて絵を描く人にとっては使いやすいと思います。

絵を描くことに慣れたら油絵具も使ってみる

油絵具は絵を描くことが習慣として身に付いてから使用しても遅くはないので、まずは挫折しにくいアクリル絵具で絵を描くことを楽しんだ方がいいでしょう。私としては最終的にアクリル絵具と油絵具の両方を使ってみることをおすすめします。アクリル絵具では表現が難しかったことが油絵具で簡単にできてしまうこともありますし、質感が違うので絵を描く楽しみ方も変わると思います。

『大河原邦男展』と『蒼樹うめ展』@上野の森美術館

上野の森美術館ではアニメと漫画の展覧会を定期的に開催

上野の森美術館は幅広い美術の展覧会を開催するとともに、日本のアニメや漫画のような新しい表現も積極的に取り上げています。昨年末に開催された『進撃の巨人展』は長蛇の列ができるほどの人気がありました。壁面に大きく設置された『進撃の巨人』看板もカッコよかったです。このような展示会はアートになじみがない人でも「アートってなんだろう?」と考える機会になるので、アニメ業界のみならずアート業界にとっても良い効果があると思います。

大河原邦男展と蒼樹うめ展

今年の夏は『メカニックデザイナー 大河原邦男展』が開催されます。ガンダム、ダグラム、ボトムズなど数え上げたらきりがないほどロボットデザインを制作してきた大河原邦男さんの展覧会なので、たくさんの作品が公開されると思います。放映されなかったアニメのデザインも公開するそうなので楽しみですね。

『大河原邦男展』が終わったら、すぐに『蒼樹うめ展』が開催されます。開催期間が短いので注意してください。この展示会も未公開の設定資料や漫画原稿、描き下ろしの新作などが公開されるそうです。蒼樹うめさんの描くキャラクターは明るく楽しそうな雰囲気があるので、見ているだけで幸せな感じが伝わってきます。こちらの展示会の公開も待ち遠しいですね。

メカニックデザイナー大河原邦男展

上野の森美術館 メカニックデザイナー大河原邦男展の特設サイト
期間:2015年8月8日(土)から9月27日(日)
開館時間:午前10時から午後5時(入館は閉館の30分前まで)
展覧会限定オリジナルグッズ販売予定

メカニックデザイナー 大河原邦男展 記者発表映像

蒼樹うめ展

上野の森美術館 蒼樹うめ展のサイト
期間:2015年10月3日(土)から12日(月・祝)
開館時間:午前10時から午後5時(入館は閉館の30分前まで)
展覧会限定オリジナルグッズ販売予定