世界の有名企業100社のロゴの変遷を解説した書籍『ロゴライフ 有名ロゴ100の変遷』を読みました。日常でよく目にする企業ロゴの意味することやコンセプトを知ることができ、改めて企業ロゴの重要性を再認識しました。
著者はロン・ファン・デル・フルールトさんというオランダのデザイナーです。
掲載されている企業は主にアメリカ、ヨーロッパ、日本の企業です。コカ・コーラ、ペプシ、マクドナルド、メルセデスベンツ、BMW、シェル、IBMなど企業ロゴのお手本みたいなデザインが勢ぞろいしています。むしろ知らない企業の方が少ないと思います。日本企業はキャノン、ニコン、富士フイルム、日本航空、トヨタ自動車、マツダ、資生堂が掲載されていました。
この書籍は企業の歴史とともに時系列でロゴを解説しています。なので前のコンセプトをどのように継承してデザインしたのか理解しやすいです。コカ・コーラ、ラッキー・ストライク、シェル、ジョンディアなどのロゴが代表的だと思います。それとは反対にビジネスモデルの変化にともないロゴが大きく変化していることも理解しやすいです。
ちょっと悲しいのが失敗してしまったロゴ。従業員や顧客から不満の声が上がったことにより、すぐに変更したロゴや再利用されたロゴも紹介されています。これらのロゴをみていると継承と変化をどのようなバランスでデザインしたらいいのか悩むところですね。
業界別に観察してみるのも面白いです。近年はIT業界をはじめとしてフラットデザインがはやりですが、自動車業界は車のエンブレムのように立体化していることがわかります。
デザイナーの人だけでなく、ビジネスマンにも楽しく読めるロゴの入門となっているので、好きな企業のロゴをまねることや、カッコイイロゴを目指すことがゴールではなく、ロゴは企業のビジネスをコントロールするツールであることがよく理解できると思います。